田中経営企画室 調査報告書

経営企画室 調査企画担当の田中が、新規事業や既存事業に役立つような情報を探し、集計し、スライド化したものを公開していきます。

コロナ禍での病院経営(1)

田中です。

 

コロナ禍での病院経営について、

以下のレポートが公開されていました。

 

www.rieti.go.jp

 

これによると

 

公的な医療機関では、20年の収益は、補助金収入を加えれば

19年を大きく超える病院も出てきている。

「コロナ対策に参加すれば他の患者が来なくなり、病院経営が赤字化する」

という認識は、もはや過去のものと言える。

 

ということでした。

 

このレポートには、公的医療機関である6病院の収支が記載されていました。

新規事業を企画するときには、数少ないデータから傾向や特徴を探すことがあります。

同じような手法を使って、これら6病院において

コロナ禍での影響が見いだせないか集計してみました。

 

まずは全体の収支を把握します。

 

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AからFまでの6つの病院があります。

C病院とD病院を除いて、2020年は収支が改善しています。

特にA病院では2019年に比べて3倍の利益となっています。

 

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補助金を除いた収支と補助金

そして、その結果としての2020年収支をグラフにしました。

 

ほとんどの病院が、補助金を除くと収支は赤字になっています。

この状態に補助金を加えることで、収支が黒字化していることがわかります。

ただし、D病院は赤字幅が大きく、補助金を加えても赤字を抜け出せていません。

 

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横軸を2019年収支、縦軸を補助金を除いた2020年収支としてプロットし、

回帰直線を引きました。もし2019年と2020年で収支が同じであれば、

回帰直線がもっと上に位置するはずです。

しかし、実際には下に降りてきています。

 

これにより、各病院とも2019年に比べて2020年は、

10~15億円収支が悪化していることがわかります。

 

コロナ禍は、どの病院の収支に対しても

同じように悪化させたと言えそうですね。

 

では、また。

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