旅行業界に対する新型コロナの影響(2)
田中です。
前回は宿泊者数を全体と、日本人・外国人で分けて見てみました。
tanaka-corp-plan.hatenablog.com
今回は宿泊施設タイプ別に見ていきます。
まずは全体の稼働率です。
2011年の落ち込みは、東日本大震災の影響でしょうか。
2011年から2019年にかけて、ほぼ毎年稼働率は上昇しています。
近年は60%を超えている状態ですね。
それが2020年は半減の34.3%まで落ち込んでいます。
コロナ前の1、2月を含めてですから、これも凄まじいものがありますね。
今度は、2009年の稼働率を100として、施設タイプ別に稼働率の推移を見ました。
旅館は2011年に大きく落ち込み、その後は微増が続いていましたが、
2020年には2009年の半分まで落ち込みました。
リゾートホテルは、2011年に落ち込みましたが、旅館ほどではありませんでした。
その後、稼働率を維持しているシティホテル、ビジネスホテルを追いかけ、
追いついたところで、2020年の落ち込みですね。
ビジネスホテルやシティホテルは2011年でも稼働率は微減で持ちこたえ、
その後は上昇していました。しかし、旅館やリゾートホテルと同じように
2020年は大きく落ち込みました。特にシティホテルの落ち込みが目立ちます。
最後に、直近2年の稼働率を見ました。これは実際の稼働率です。
いずれも新型コロナが広まり出した2020年4、5月に大きく落ち込み、
その年の後半に向けてはGo To トラベルもあって大きく戻しました。
しかし、年末年始あたりからは再度落ち込み、
その後、やや戻す、といった程度でしょうか。
結果として、リゾートホテルやシティホテルはコロナ前の1/3、
旅館やビジネスホテルは1/2になった、ということになります。
シティホテルはコロナ前の稼働率が高かっただけに
1/3になった稼働率は経営に大きな影響を与えていそうです。
東日本大震災とコロナ禍が与えた影響の違い、
施設タイプ別による違いが見えたように思いますね。
では、また。